いや、スパイスの「スターアニス」ですよね。
ってツッコミが入りそうなタイトルです。
だって、形が「スター」なんですもん。
スパイスの中でも最大級の大きさを誇る「アニス」のご紹介です。
香りも姿に負けない存在感で、さまざまな形で利用されているスパイスです。
スターアニスについて
中国南西部、ベトナムが原産のアニスですが、さまざまな名前を持っています。
「スターアニス」「八角(ハッカク)」「ウイキョウ」などで、ボクたち日本人には「八角」がなじみ深いかもしれません。
この植物は正式には「トウシキミ」といい、モクレン科シキミ属の植物です。
ですが香りはせり科の「アニス」に似ています。
なので、トウシキミではなくスターアニスとしての名前のほうが有名なんですね。
中国料理やアジア圏、ベトナムやマレーシアでは香辛料として日常的に使用されます。
こってりした肉料理やデザートとの相性がよく、ボク的には「甘くて濃い」食べ物に合うイメージを持っています。
他のスパイスと混ぜて「五香粉」というブレンドスパイスでも有名です。
スターアニスの効能
スターアニスはさまざまな効能を持っています。
どちらかといえば、スパイスとしての使用より、「香り」の効能が特徴のスパイスです。

果実には「精油」を10パーセント近く含んでいます。
その主成分は「アネトール」といいます。
スターアニスの精油成分はとても刺激が強いので、アロマライトやディフューザーを使用して香りを楽しむことに使われ、香水やお香にもたくさん使われています。
また、アネトールには女性ホルモンのエストロゲンとよく似た構造をもっているので、女性特有の症状(生理痛・生理不順・更年期障害など)を和らげるといわれています。
ですが、妊娠している方は取らないほうが良いかもしれません。
また、「ピネン」という精油成分は神経をリラックスさせる効果があります。
落ち着きたいときはスターアニス入りのハーブティーなど(少し漢方的になりますが)も良いと思います。
また、「リモネン」という精油成分は[ani]血行を促進し、代謝を上げ、消化機能を助けてくれます。
「リモネン」は柑橘類に多く含まれる成分なので、スターアニスは柑橘類と相性がよいです。
また、スターアニスの成分のシキミ酸は、製薬としても加工使用され、インフルエンザの特効薬の「タミフル」となります。
もちろんスターアニスの実をそのまま食べても効果はないですが。
これはボクの考え方ですが、スパイスカレーは「香り」を楽しむ煮込み料理です。
スターアニスは強い「香り」に効能がありますので、煮込みにひとつのスターアニスを入れるのもよいですね。

危険なアニス似にご注意!
お寺によく植えられています、仏事に使用される「シキミ」ですが、同じシキミですので実がそっくりです。

画像で見ても、スターアニスのほうが大きく、実の詰まっている数も違いますね。
先端が尖るのが「シキミ」の特徴です。
実は、このシキミ、「猛毒」です。
猛毒の「アニサチン」を含んでおり、毒としては「劇物」に指定されているほどです。
腎臓や消化器に炎症を起こし、神経毒としても毒性が強いので、最悪、死んでしまいます。
決して間違えないようにしましょう。
スパイスカレーに欠かせないスパイスではありませんが、1粒でかなりのアクセントを香りに付け足すことの出来るスパイススターのアニスでした。