ひと言で「気品」。。といいますでしょうか。
なんともいえない爽やかで冷ややかな香りを放つスパイス。
高嶺の花のような(?)清楚なフレグランス。
スパイスの女王「カルダモン」のご紹介です。
スパイスの王様が「コショウ」なら、女王は「カルダモン」といわれます。
スパイス界では、さすが女王。
その価格の高さが際立つカルダモン。
世界3大高級スパイスランキングのTOP3です。ちなみに。。
- 1位 サフラン
- 2位 バニラビーンズ
- 3位 カルダモン
- といった順番です。
スパイスカレーの原料としても、お財布泣かせなスパイスです。
こればかりは仕方ないです。
高嶺の花は、多少お金がかかるものですから(笑)。
わかりますよね?貴方も(笑)
カルダモンってどんなスパイス?
その歴史は古く、古代エジプトやローマでは「薬」として用いられたそうです。
カルダモンはショウガ科の植物ですが、根を用いるのではなく、実を用います。
また、ショウガのような辛味はほとんどありません。
カルダモンの語源は、ギリシャ語の「kardamomon」といわれています。
「心臓」「薬」という意味のある言葉だそう。
たしかに、カルダモンの形は心臓のようにも見えますね。
カルダモンには大きく2種類あります。
私たちがよく目にするのは「グリーンカルダモン」で、一番よい香りとされています。
グリーンカルダモンを漂白したのが「ホワイトカルダモン」。
グリーンとホワイトは品種は同じです。
品種が違いますが少し大きめの「ブラックカルダモン」というものがあります。

また、カルダモンの栽培は日本では、ほぼ不可能に近いです。
ですが、ご自宅に温室を持っている方であれば、可能性はあります。
少し前にテレビの番組でジャニーズの方がスパイスの栽培に挑戦していましたが、さすがにカルダモンは無理でしたね。
カルダモンは、コーヒーがすくすく育つような気候が好きです。
熱帯性気候で標高1,000mくらいの土地が適しているといわれています。
ご自宅でコーヒーの苗木を育ててもなかなか上手くいかない方は、まずカルダモンは育てられません。
ボクもいま、3本目を育て中です。
主要生産国は「グァテマラ」「インド」です。
とくに近年「グァテマラ」が生産を伸ばしています。
コーヒーの世界でも良質なスペシャルティコーヒーを産出するグァテマラ。
コーヒーの産地としては最上の気候と土壌を持った国でもあります。
と、いうことでコーヒーとカルダモン、きっと相性が良いはずです。
カルダモンコーヒー
カルダモンをこよなく愛する、ベドウィンという遊牧民が居ます。
ベドウィンは移動式のテント生活をしています。
客が来たときに、歓迎するため、カルダモンコーヒーを作ります。
まず、最上のカルダモンを使っていることを見せて、コーヒー豆を丁寧にローストします。
オリーブの木でできた棒で潰し、挽きます。
カルダモンと共に、「ダラー」といわれるポットに入れてボイルし、完成です。
飲むときは、ブラックで頂きます。

ダラーは、コーヒーに詳しい方なら「イブリック」みたいです。
といえばイメージしやすいかもしれません。

ご家庭でカルダモンコーヒーを作るときは、ポットや鍋でお湯を沸かすときに、
1人前のお湯の量に対し、1個のカルダモンを軽く砕いてお湯を沸かしましょう。
カルダモンの香りが移ったお湯で、コーヒーをたてて完成です。
アーユルヴェーダとして
スパイスの薬膳でもたくさん使用されるスパイスですが、その効用は、
- 健胃作用 (胃腸薬としても用いられます)
- 口臭予防
- 抗酸化作用(スパイスではおなじみですね)
- 抗炎症作用
僕は、カルダモンを「熱性」としてとらえています。
ショウガ科ですしね。
香りは爽やかなんですが、種を食べると少しからだが温かくなります。
消化力を高めてくれているのでしょう。
ピッタ体質の方は、少しだけとりすぎに注意しましょう。