世界で1番有名で、誰もが使っているのでは・・というスパイスは。。
そうですね、「コショウ(ペッパー)」です。
スパイスの女王が「カルダモン」なら、
スパイスの王様は「コショウ」といわれています。
コショウの歴史
胡椒の原産地は「南インドマラバール」といわれ、アラビア海沿岸地域です。
コショウは、紀元前から栽培されていました。
古代ローマでは「金」と同じ価値とまで扱われ、
インドからヨーロッパのイタリアまで海を渡って運ばれていました。
これを「スパイスロード」といいます。
海路をたくさんの人の手を経由し渡ることによって、
コショウの価格はどんどんつりあがります。
エンドユーザーに届くときには金と同じような価値までになりました。
考えて見ますと、このころのイタリアの繁栄も、スパイス抜きでは語ることが出来ないのかもしれません。
コショウは英語で「PEPPER」です。
サンスクリット語で「ピッパリ」と呼ばれていたことが語源といわれています。
また、コショウは中国でも盛んに輸入され、「胡椒」といわれました。
胡は西の、椒はスパイスという意味です。
日本には8世紀ころに伝わったといわれ、比較的日本でも古い歴史を持つスパイスです。
正倉院の宝物の中にも胡椒は含まれています。
コショウの種類

スパイスのコショウには、いくつかの種類があります。
- ブラックペッパー :緑の未熟な実を乾燥させたもの
- ホワイトペッパー :完熟した実の外側をむいたもの
- グリーンペッパー :未熟な実をフリーズドライや塩漬け等にしたもの
- ピンクペッパー :完熟の実を乾燥させたもの
です。辛さの順は、
①ホワイトペッパー ②ブラックペッパー ③グリーンペッパー ④ピンクペッパー です。
つまり、コショウは、種類ごとに品種が違うのではなく、
1つのコショウの実から、たくさんの種類を作ることができるということですね。
「コショウ」と「コーヒー」には似ている点がたくさんあります。
完熟前の実を収穫し、「天日乾燥」させたものがブラックペッパーとなります。
コーヒーでも、収穫した実を天日乾燥させて脱穀し、
生豆を取り出す精製方法があります(ナチュラル製法といいます)。
また、完熟した実を数日間水に漬けたあと表皮を除いたものが
「ホワイトペッパー」になります。
コーヒーも、収穫した実を水につけ、表皮などを除き、
きれいな生豆にして乾燥させる製法があります(ウオッシュト製法といいます)。


似てますよねー。
一番似てる!っていつも思うのが、「実」の状態です。
どうです?兄弟みたいですよね。
チョコレートの原材料の「カカオ」は、まさにチョコレートの兄弟みたいな果実です。
(焙煎もしますしね)
チョコレートとも相性のよい「ペッパー」は、コーヒーとのマリアージュの可能性を感じさせてくれるスパイスです。
コショウの効用
アーユルヴェーダでは、カパ体質の方とかに特にお勧めのスパイスです。
代謝を活性化し、体を温め、消化を高めてくれます。
また、コショウの注目の成分は「ピペリン」という成分で、「ターメリック」の効用と相性のよいスパイスとして知られています。
コショウの10パーセントくらいはこの成分で占められます。
ピペリンには、
血行促進作用、消化不良の改善、食欲増進、アンチエイジング効果、発汗作用
などが期待されます。
コショウの賞味期限は長く、冷暗所の保管で、ホールで3年。
パウダーでも2年は持ちます。
でも、コショウはやっぱり挽きたてが一番ですね。
ご家庭に、無くてはならないスパイス「コショウ」、まさにスパイスの王様です!